Diabolus ex machina

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ディアボルス・エクス・マキナ=「機械仕掛けの悪魔」という意味のラテン語。

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2013.01.10 Thursday

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思い出の中のクライズラー&カンパニー

2012.02.19 Sunday 14:53




学生時代、友だちの部屋に遊びに行ったときに時々BGMとしてクライズラー&カンパニーの曲が流れていました。
当時の私は《クラシック音楽全盛時代》で、特にモーツァルトとバッハにハマッていました。
ちなみに、クラシック以外では、上野洋子さん(ザバダックも含む)を発見したのがまさにこの時期でした。

クラシック音楽に関しては、あまりにものめり込みすぎて、偏狭な状態になっていたのではないかと思います。
加えて、あの頃の私(今でももしかしたらそうかもしれませんが)は潔癖症気味なところがあって、クラシックをアレンジして現代の楽器で演奏することに生理的な嫌悪感を持っていました。
それで、友だちに対して、
「こんなの聴くより、オーケストラの演奏聴いたほうがいいよ」
と説教めいたことまで言ってしまった記憶があります。
さらに、頼まれてもいないのにクラシック音楽の素晴らしさについて熱弁したような気も・・・

それにしても、友だちが好きなアーティストに対して《こんなの》呼ばわりするって最低ですよね。
それ以降、私が遊びに行った時にクライズラー&カンパニーが流れていたことは、おそらく無かったかと思います。
というか、音楽をほとんどかけなくなったような・・・

今にして思えば、クラシックにハマっている私に対する配慮として友だちがクライズラー&カンパニーをかけてくれていた可能性もあるわけです。
あと、あの頃のことを色々書いているうちに思い出したのですが、当時の友だちの音楽の好みは70年代とか80年代とか、すごく古い時代の洋楽で、ビートルズとかプレスリーとか、かなりマニアックで、周りでそんなの聴いている人なんて誰もいないよっていう感じの音楽ばかりでした。
(まあ、それを言ったら、クライズラー&カンパニーも他では聴いたことがありませんでしたが)
そう考えると、やはりクライズラー&カンパニーは私への気配りだった可能性が高いです。
そんな友だちに私は何てことを言ってしまったのでしょうか・・・

兎にも角にも、他人の好みを否定するのは本当に良くないことです。
失礼なことを言ったものだと、今さらながら反省しています。
   ◆
これは今だから言えることですが、クライズラー&カンパニーのアレンジ、演奏はかなり良かったのです。
「悔しいけど、これはイイな」
と思うことが何度かあって、それを認めたくなかったからこそ、自分がいるときにクライズラー&カンパニーのCDを二度とかけさせないように強い口調であんなことを言ったのではないかなと、当時の心理状態を推測したりしています。

あと、クライスラーではなく、クライズラーと《ス》に濁点が付いているのがものすごく気に入らなかったことを覚えています。
友だちとの会話から、作曲家であり、ヴァイオリニストとして有名なフリッツ・クライスラーが名前の由来だと知らされて、「何で濁るわけ?」と思ったわけです。
たかが濁点くらいでと今の私なら感じるわけですが、嫌いというか、認めたくないというか、一度そうと決めてしまうと、どんなことでも貶す要素になってしまっていたのでしょう。
何か微笑ましいと思えてしまいます。
とにかく、当時の私はクライズラー&カンパニーなんて認めない、と心に誓って、自分自身に対してネガティブキャンペーンを張ってしまったわけです。
そして、それらのことは最近まで心の奥底にひっそりと封印されてしまっていたのです。
   ◆
そんな封印されていた記憶をどうして今頃になって思い出したのでしょうか?
きっかけとなったのは、久しぶりに聴いたドヴォルザークの「新世界より」でした。
それで、クライズラーの曲が無いかYOUTUBEで検索したわけです。

久しぶりに聴いてみて驚いたのが葉加瀬太郎さんのヴァイオリンでした。
あくまでも好みの問題だと思いますが、昔の演奏の方がイイと私は感じました。
あれ?って感じでした。
本当に上手いです。
他の音とのバランスの問題なのかもしれませんが素晴らしいです。

それと、クラシックって夜に聴く時に少し困るんですよ。
大きい音が出せないし、かといって音が小さいと細かいところが聞こえません。
結果として、夜はピアノなどのソナタ形式のものがメインになってしまう(これは、あくまでも個人的な意見です)のですが、クライズラー&カンパニーの場合、ヴァイオリンとシンセとベース(と+α)というシンプルな構成なので、音量をしぼっても普通に楽しめるわけです。(もちろん大音量のほうが楽しめます)
歌詞のある音楽だと言葉の意味などを考えてしまったりして寝付けないことが多いので、夜に聴きたいインストゥルメンタル(ボーカルなしの曲)の選択肢として、クライズラー&カンパニーが加わったことは喜ばしい出来事です。
   ◆
学生時代の反動というわけでもないのですが、ネットでクライズラー&カンパニーのCDを大量(10枚くらい)に注文しました。
届くのが楽しみです。
実は、すでに届いている1枚を昨日からヘビーローテーション状態で聴いています。
音楽 Posted by 姫野かずら | comments(0) | trackbacks(0)

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2013.01.10 Thursday 14:53
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